2014年4月9日水曜日

【№14】介護職員の悲鳴?!

ご利用者やご家族の要望で一番多いのは、なんと言っても、職員の数をもっと多く、ということだろう。152名定員の飛鳥晴山苑(特養)には、介護職員を常勤換算で基本的に77名配置している。介護保険法が定めている基準(入所者3名に対して介護・看護職員を1名)では、介護職員を47名、看護師を4名以上配置しなければならないとされているので、当施設は介護職員を30名(1.6倍)も多く配置していることになる。
それでも、現場は火の車。排せつ介助、入浴介助、食事介助、移動介助、見守り、徘徊、転倒、体調管理などなど、仕事は山のようにある。笑顔で黙々と働く介護職員の心中には、悲鳴がこだましている。国保連から支給されている介護報酬は、31を基準にしているので、過剰の30名分は、基本的には施設側の負担となる。施設の会計からも、悲鳴があがる。悲鳴と悲鳴が交錯している、というのが特養という現場のありていな姿なのである。
過剰と書いたが、本当のところは過剰ではない。むしろ、まだまだ少ないと、私自身もそう思っている。まして、当施設ではオムツの使用を極力少なくし、「排尿・排便は基本的にトイレにご案内する」などの自立支援に力を注いでいる。ますます人の手がかかる。利用者、職員、管理者の間にこだましている悲鳴が、いよいよ絶叫にならないように、特養は、ひいては介護保険制度は、いよいよ正念場を迎えているように感じる。手をこまねいているわけにはいかない。ちょっと前のテレビドラマの「きめ台詞」のように、解決のカギは現場にある。踏みとどまって現場で解決するしかない、と改めて感じる年度始めである。