2015年1月8日木曜日

【№22】柔軟でたくましい介護施設に……

要介護高齢者の排せつ・入浴・食事の介助をし、安心・安全・清潔・快適な暮らしを提供する。これが、私たち介護に携わる職員のもっとも基本的な仕事ということになる。ともすると体力勝負と思われがちだが、そのことの実現のために体力以上に求められていることが、「介護対象者を観察し、傾聴し、共感し、表情を読み取る力」であり、そのうえで「介護をする側にできること、しなければならないことを的確に伝える力」だろう。その意味では介護の仕事は、する側・される側の信頼関係に裏打ちされた双方向的なコミュニケーションそのもののうちにある。であるがゆえに、「気づきが遅れ、共感することに疲れを覚え、こちら側の真意が伝わらない」。そんなコミュニケーションギャップが発生し、時に相互の溝が大きく口をあけることがある。事故であったり、苦情となったり、介護職員が燃え尽きてしまったり……介護現場にはそれぞれの想いが交錯し、毎日、予想外の出来事に満ちている。そんなリスクを正面から受け止め、成長の糧にする柔軟でたくましい介護施設にしてゆくこと、2015年を迎えるにあたってのいましめとしたい。

2015年1月1日木曜日

【№21】あけまして、おめでとうございます。

2015年(平成27年)の朝。関東地方は、穏やかな新年となりました。
おめでとうございます。
昨年、飛鳥晴山苑では「自立支援介護」に力を注ぎました。特養に入所してくる方のほとんどがオムツをお使いになっておられます。が、排せつ・排便は人の手を借りずにトイレで、ひっそり?すませたい。人間の尊厳などと大仰にいわなくとも、、これが人の偽らざる気持ちでしょう。飛鳥晴山苑ではこの当然のことを実現していただくために、水分や食事の量・質を検討し、トイレまで歩くことができるよう歩行訓練も強化いたしました。その結果、平成25年4月時点で95%もの方が日中の時間帯はおむつを使用していましたが、平成26年11月時点では59%にまで減少いたしました。入所時には全く歩くことができなかった方が、半年後にはご自分の足でトイレまで進み、便座にお座りになる。ある方は顔をしっかりと前に向け、おしゃべりや景色を楽しみながら散歩する。そんなお姿もお見かけするようになりました。
平成27年、苑ではこの自立支援を更に推し進めます。また、今年は介護保険制度の大きな改定が予定されています。皆様がご負担している介護保険料はできるだけ増額にならないようにし、受けることのできるサービスは量も質も充実したものを。この相反する要望に挟まれて、介護保険の事業者である私たちはなお一層の努力が求められるでしょう。飛鳥晴山苑では、この状況下、自らの仕事と収支を見つめなおし、地域への貢献もよりわかりやすいものにしてゆかなければなりません。近隣の方々の、厳しく、そして温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。