2014年5月15日木曜日

【№15】おむつゼロに向かって、少しの前進が

25年度、特別養護老人ホーム部門では、ご入所者(平均年齢88歳)の平均要介護度は24年度末の4.3から25年度末には4.2に改善した。ささやかとはいえ、昨年4月以来取り組んできた自立支援介護の方向性が確認できた数値と考えている。そのために強化した歩行訓練では入所時、まったく歩けなかった方が半年ほどの繰り返しの訓練の結果、施設内の100mほどの廊下を楽しそうに歩けるようになったり、時に近くのコンビニまで歩いて買い物にという姿もちらほら。また水分摂取量の増加や下剤投与の削減、食物繊維摂取の適正コントロール等の試みの結果、日中のおむつ着用率も25年度当初の95%から年度末には69%にまで下がってきた。ご自分の意志で(力で)トイレまで歩行し(介助は必要だとしても)、トイレという密室で遠慮なく用を足す。誰しもの当然の願いが少しずつ実現しはじめている。おむつの使用をゼロにする(全員がトイレで用を足す)。若い、健常の方にとっては当たり前のことだが、お年寄りの尊厳にとって、このことははかり知れないほど大きい。この思いが通奏低音となって自立支援=介護度の小さな改善の背後に流れている。飛鳥晴山苑に入所すれば、元気になる。明るくなる。笑顔が増える。そう思っていただける介護に新年度、なお一層力を注ぐつもりである。