2015年4月10日金曜日

【№23】最期の時まで、その人らしく

特養の役割が揺れ動いている。特養は“終のすみか”。最後の時を迎えるまで、ゆったり過ごせる場所。これが多くの方にとってのイメージだろう。その場合の介護職員の一番の仕事は、目の前で発生している生活上の困難を速やかに取り除いてあげること、可能な限り快適に過ごしていただけるよう“そっと手助けする”というイメージとなる。
しかし、一方では最後の時まで“その人らしく”過ごしていただきたいという思いがある。その方が少し前までできていたこと、例えばご自分の箸で食事を摂ること、おむつをせずにトイレで排せつすること、ご自分の足で行きたいところに行けること。そんなささやかな“その人らしさ=尊厳”を取り戻すお手伝いこそが、特養の役割。そんな考え方もある。「そんな無理をしなくとも」「いやいや、少しでも元気に」。介護職員もその二つの考え方の間で揺れ動いている。
ただ、飛鳥晴山苑としては、一昨年から“少しでも元気に”をテーマに様ざまな試みをしている。その結果、日中のおむつ着用率が95%から51%に減少。まったく歩けなかった方が歩いて散歩する姿も多く見かけるようにもなった。この自立支援にさらに力を注ぐこと。これを27年度の課題としたい。