2016年4月15日金曜日

【№30】ユニットケアはタコツボケア?

特養飛鳥晴山苑は1ユニット10人の要介護高齢者を、概ね4.8人の介護職員がお世話をしている。10人×24時間×7日=1680時間のお世話を、4.8人×1週の労働時間40時間=192時間の持ち時間で行っているという計算になる。別の言い方をすれば、ご高齢者の1時間が介護労働者にとっては8.75時間の重みがあるということもできる。この重い責任がそれぞれのユニットの中に、充満している。ユニット型特養のすばらしさは、一人ひとりのプライバシーに配慮した個別ケアが可能なこと。確かにすばらしい。しかし、「重みが充満した」現実のユニットの日常は、私には「個別よりも孤立」が勝っているように感じるし、「連携よりも不連続」に偏っているように見える。過剰な重みの前に、ユニット同士互いに連携し合うことをやめ、サイロのように、タコツボのように身を固く閉ざしているよう。ユニット型は孤立したタコツボの集積体? その中に沈み込む介護職員の孤立感は深い。私の杞憂であろうか。