差し出された手から伝わってくる心地よい感触、みつめる柔らかなまなざし、耳元に届くふんわりとした言葉、肩と肩の触れ合う温もり。これまで大切にしてきたことの一つひとつが、密、密、密! 私共、介護の仕事、私たちの普通の暮らしは、つまるところ、【密着、密接、密集】に包まれてこそ成り立っていたのだということを、無残にも思い知らされるコロナ禍の毎日。みな様はいかがお過ごしでしょうか。顔を背けあっての入浴のお手伝い? ソッポを向きあってのお食事? アクリル板越しのお話? 耳元にはいつも、密はダメ、密はダメ、密はダメ! の声が呪文となってさまよっているのでしょうか。その声に呪縛され、おののき、時に“自粛の視線”にあらがって、密なものへと踏み出さざるを得ない介護の現場に、しり込みしながら立ち向かっている。でも、不安に後ずさりすることもありますよね。これがコロナウイルスなるものの嵐に翻弄されている介護施設の現在。砕け散る大波も、いつかはさざ波になる。人はいつだって、災厄と折り合いをつけて、平穏を取り戻す。そうですよね。そう信じていますよ。
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